アイゼンブッフ禅センター

活動方針

普門寺の活動方針

 

梵鐘の鐘が普門寺と近隣の村々に時を告げる。 名古屋宝珠院様よりご寄贈いただきました。

梵鐘の鐘が普門寺と近隣の村々に時を告げる。
名古屋宝珠院様よりご寄贈いただきました。

 

 ドイツ普門寺は、日本曹洞宗の伝統に根づきつつ、仏教としての禅の本質を究め、ドイツ・ヨーロッパ、さらには世界に開けた新しいタイプの僧堂・禅センターを確立し、仏陀や道元禅師の普遍的な教えを紹介し、共に修行していくことを目的としています。
 普門寺には、厳格な接心や仏教の深い教理を求める人から、日常のストレスからの癒しを求めてやってくる人まで、様々な人が訪れます。

 仏教が生活に密着しておらず、日本とまったく異なる文化的、宗教的背景を持つ欧州で、禅や道元禅師の教えを広めていくためには、坐禅修行と並行し、仏教の基礎学習を進め、その今日的意義を問い続けていくことも重要です。

 そのため、普門寺の活動は多岐にわたり、多数の接心(集中禅修行)や参禅会などを行う国際的な修行道場であるだけでなく、禅を中心としながらも宗派にこだわらない仏教文化セミナーセンターとしても幅広い活動を行っています。

そして気軽に参加できるレトリートプログラムから、禅仏教シンポジウムにいたる迄、多様なレベルでバラエティにとんだプログラムを提供しています。

また、大学・カルチャーセンター・教会など様々な外部組織にも赴き、一般の人々の理解を深めるよう、草の根の布教活動にも努めています。

 

僧堂の入り口の上には篇額「選仏場」が掛かっています。 これは1981年 (昭和56年) 酒井得元老師が、将来ドイツで建立 されるであろう中川老師の僧堂のために揮毫してくださったものです。

僧堂の入り口の上には篇額「選仏場」が掛かっています。
これは1981年 (昭和56年) 酒井得元老師が、将来ドイツで建立
されるであろう中川老師の僧堂のために揮毫してくださったものです。

 

普門寺には大きく分けて2つの機能があります。

 

1.専門修行道場としての機能。

 古来より修行は「行解(ぎょうげ)の中道」と言われています。

つまり坐禅を中心とする身体を使う具体的な修行と、教典や語録を自らの上に引き当てて理解を進める精神的な修行の2つを、どちらか一方に偏ることなく行うことが、自己を、そしてつまりは仏道を究めてゆく上で必要だということです。

 この根本方針に沿って、国際的な一般修行者、常住修行者を育成する修行道場として、当禅センターは坐禅修行、仏教学習と作務を日課としております。

さらに安居期間を設け、集中的な修行・学習も定期的に行っています。

毎週水曜日の午後7時からは、誰でも参加できる坐禅会が開かれています。

本格的な修行を可能にするため、2006年に、それまでの本堂に加え、本館の屋根裏を改装して、函櫃(寝具を入れる戸袋)を備えた僧堂を作りました。これで僧堂に泊り込みで修行に励むことも可能となりました。

 

2.禅を基礎とする仏教文化セミナーセンターとしての機能。

一般参加者を対象に、一定期間ごとに仏典集中講座、正法眼蔵講座などの講座、フォーラム、そして仏教や禅に造詣の深い専門家を招いてのセミナーなどを行っています。

また仏教の止観(呼吸の集中による目覚め)に基づく生活トレーニングや「目覚めと健康」(仏教、キリスト教などの教理に固まる以前の、人間としての霊性の覚醒と涵養、心身のバランスの取れた生活の習得)のためのセミナー、ヨガや太極拳またお茶や料理の授業の後に講話を聞いて坐禅するコースなど、文化講座と坐禅や講話を組みあわせたセミナー、癌患者を含めた参加者を対象に、食事療法や衣食住の生活改善、その他の伝統療法(例えば仁神術)を紹介するコースなどの多彩な活動を行っています。

 

アメリカ人禅講師によるオープンエアでの講座の合間の気功の練習

アメリカ人禅講師によるオープンエアでの講座の合間の気功の練習

 

 また、現在行き詰まり状態にある西洋文化一辺倒の社会が、そこから抜け出すために求めるもの、人が精神的に求めるものを、具体的な修行を通して、東洋仏教の立場から提供することで、ヨーロッパ社会に根をおろすこと。そして仏教精神に涵養された人材を育成し、社会に送り出すことも目標としております。